変わるもの,変わらないもの,そして我

何も言葉にすることさえも,その意味さえも変わらない今日此の頃如何御過しでしょうか?今日はしがない爺です.

<変わるもの,変わらないもの,そして我>
人間という生物で居続ける事にほとほと嫌気が差している.
井の中の蛙大海を知らず,されど空の高さを知る.
そして私は底でまみれながら壁に頭を打ち付けています.
全ての創造物が怨念の産物であり,またこれもそうであるかのようにひたすらに日常に頭を打ち付けている.

閉じた世界の中で膨張し続ける我は見上げるべき空さえも肥大しきった体躯に遮られ,目指すべき大海の夢さえも惰眠によってかき消される.

      まことのことばはうしなはれ
     雲はちぎれてそらをとぶ
    ああかがやきの四月の底を
   はぎしり燃えてゆききする
  おれはひとりの修羅なのだ

そして堕ちきる事すらも無い我は,只只肥大を続けるのみで,
この世の全てが嫌になり,その筆頭は自己と言う有様で,虚しく鏡を見ながらせせら笑うのみ.
眼は曇り,皮膚は爛れ,鼻は捻じ曲がり,口は潰れ,耳は腐る.

全ての嘲笑が覆い尽さんばかりにこの全てを呑み込んでくれるならば,いっそ全ての感覚を潰し,見えぬ目を捨て,感じぬ肌を刻み,香らぬ鼻をちぎり,全てに全てを奉げてしまえば,かえって楽になるものを,
あぁ何と私は浅ましく,修羅にも為れぬ餓鬼として汚泥の中を這いずり回り,痛んだ水に酔っている.全てが腐り流れ落ちたら,光る自分の夢想を抱いて,今日も汚泥の厚化粧.

所詮は餓鬼の戯言と,流す水さえ無い有様で,虚しく井戸にこだまする.